「DOWELL magazine」は「あなたの行動で世界をよくする場づくりマガジン」。「Action」のカテゴリーでは、さまざまな社会課題を読者の皆さんに自分ごととしてとらえていただき、具体的にどのようなことができるかを提案していきます。
おやつを食べる人と食べられない人
現代の日本人の食生活は、海外から輸入する農産物に支えられています。日本の食料自給率は、平成29年度のデータで38%。小麦、大豆、とうもろこし、砂糖……目に見えるかたちでも見えないかたちでも、私たちは国外の農家の人たちがつくったものを口にしています。(※農林水産省発表のカロリーベース食料自給率)
こうして私たちの食卓は世界中の人々とつながっていながら、多くの生産者と消費者の生活には、実は天と地ほどの差があります。たとえば、チョコレートやココアの原料となるカカオを栽培しているコートジボアールの農家の収入は、一日200円以下。人身売買を含む児童労働も、問題視されています。
私たちに至福のひとときを提供してくれるおやつの原料をつくっている人たちは、おやつなんて買う余裕もない生活を送っているのです。
毎日長時間働いているのに、まったく生活が楽にならず、常に栄養失調の状態。努力が報われず、と言って他に選択肢のない生活では、体力も気力もどんどん失われていってしまいます。そして子供たちは、そうした大人たちの姿を見て育ちます。
私たちは、自分たちの食を支えてくれる人たちのこうした実態に、無関心でいて良いのでしょうか。これではいつか、農業は成り立たなくなってしまいます。
農家の人たちのお金と健康
彼らが貧しいのは、仕事を怠けているからでも、運が悪いからでもありません。発展途上国の貧困は、戦争や植民地支配、災害など、長い歴史のいくつもの要因の上に成り立っています。物事の因果関係をきちんと理解して、持続可能な社会の仕組みを、みんなで考えていく必要があります。
農家の人たちの生活を少しでも向上させていくために、2つの課題があると思います。
A. 農家の人たちの収入を増やす
B. 農家の人たちの健康状態を改善する
2つの課題は鶏と卵のような関係にあるでしょう。労働量を増やして収入が増えたとしても、身体をこわしてしまっては本末転倒です。両立させるためには、農家の生産効率を上げるアイディアやスキルが必要になります。
子どもたちの給食にキャッサバを
そこで、Do well by doing good.活動では、貧しい農家の人たちに、キャッサバの栽培に関する技術支援を行っていきたいと考えました。
一種類の作物しかつくっていない農家は、もしその作物の価格が下落したり、自然災害で作物が全滅してしまったとき、大きな打撃を受けてしまいます。しかし複数の種類の作物を扱うことができれば、そうしたリスクを回避することができます。
キャッサバは栽培が容易で、やせた土地でも育つ、栄養価の高い芋類です。アフリカではトウモロコシに次ぐ第二の主食。タピオカの原料として、アジアでは加工品が流通しています。
そして、収穫したキャッサバの売り先も重要です。着目したのが現地の学校給食。これなら、定期的に一定量のキャッサバを卸すことができるので、農家の収入が安定するとともに、現地の子供たちの栄養不足も改善されます。
もちろん技術支援をしたところで、すぐに農家にお金が入ってくるわけではありません。学校に通うことのできない子供たちも大勢います。あくまでこれはひとつの提案であり、問題の解決策としては「不完全な」ものかもしれません。でも、現状を打開するためのきっかけづくりは必要です。長期的な視野で、さまざまな可能性を模索していくことが、なにより大切だと思うのです。
imperfect表参道で商品を買うことが支援に
2019年7月4日オープンの日本初のウェルフードマーケット&カフェ「imperfect表参道」では、現在Do well by doing good.活動を応援してくれる方を募集しています。
imperfectが提案する、世界の「食」と「農」を取り巻く課題解決のための3つのプロジェクトは、一定数の票が集まったものから支援していきます。
「imperfect表参道」にて、1回のお会計につき1枚お渡しするチップを、店内に設置した各プロジェクトのボックスに入れてください。
商品の購買、そして投票というアクションで、世界をほんの少しずつでも変えていきましょう!
いいことをして、この世界をよくしていこう。~ DOWELL(ドゥーウェル)~
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