アマゾンの森の復活を手助けするチョコレートに
DOWELL編集部: 明治法で発酵させたカカオが素晴らしいということを、どのようにしてトメアスーの農家の方々に伝えたのでしょう?
佐久間さん: トメアスーのカカオを使って、従来の発酵法と明治法によって2種類のチョコレートのサンプルをつくり、農家の皆さんに食べ比べてもらったんです。実は、カカオの産地は非常に暑いので、あまりチョコレートは食べないんですよ。農家の皆さんは自分のカカオがどんな製品になっているのかを知らないので、新鮮な体験だったようです。
そのような、固形のチョコレートを普段はあまり食べない彼らですが、それでも、明らかに違いは伝わりました。結果、こちらの意図を理解して、探求心を持ってモチベーション高く改善に取り組んでくれました。その姿はまさに勤勉な日本人そのものです。この方たちと仕事ができて本当によかったです!
DOWELL編集部: 佐久間さんは、当初からトメアスーが日系人のコミュニティーというところに魅力を感じていらっしゃったというお話ですから、いっそう思うところがあったのではないでしょうか。
佐久間さん: そうですね。初めて訪れた時には、アマゾンの奥地に、突然、日本の田舎の風景が現れたようで、なぜか懐かしく感じたのを思い出します。しかも南米なのに、夏には盆踊りやカラオケ大会が催されるんですよ。カカオが日本で製品化された時には「まるで故郷に錦を飾ったようだ」としみじみと喜んでくれたトメアスーのみんなの表情が、今も脳裏に浮かびます。
DOWELL編集部: じんとくるエピソードですね。そのようにして誕生したのが、トメアスーのカカオだけでつくった『meijiアグロフォレストリー チョコレート』なのですね。