社会活動と商品開発でサステナビリティに貢献
DOWELL編集部: 子どもたちに向けた取り組みは、他にもあるのですか?
シェルバさん: アメリカやヨーロッパでは、貧困家庭や障がい者の子どもを店舗に呼んで、買い物体験のプログラムを実施しています。バウチャー(クーポン)をお渡しして買い物を楽しんでもらうという趣旨で、自分で好きなものを自由に選んで買うという喜びを感じてもらうことが目的です。
DOWELL編集部: 日本でもそのようなプログラムはあるのですか?
シェルバさん: 日本では、小・中高校生を対象に「職場体験」を行なっています。最寄りのユニクロやジーユーの店舗で仕事を体験することを通じて、接客マナーやコミュニケーション、課題解決能力を身につけてもらうというもので、年間約800校にこのプログラムを活用してもらっています。
DOWELL編集部: 働く楽しさを体験できる面白い取り組みですね!この職場体験の中で、サステナビリティに触れる機会もあるのでしょうか?
シェルバさん: サステナビリティを学ぶレクチャーセッションもプログラムに含まれています。先ほどお話しした「全商品リサイクル活動」の回収ボックスも店舗には必ずありますし、「今日あなたは回収ボックス担当ね!」というように、職場体験の業務の中でサステナビリティに触れてもらえるよう配慮しています。
DOWELL編集部: 子どもたちを対象とした取り組み以外にも、積極的に取り組んでいることはありますか?
シェルバさん: 難民雇用も積極的に行なっています。日本で難民認定を受けて定住が認められた難民の方とその家族が対象になります。アメリカやドイツでも実施していて、4月現在世界8か国で121名が勤務しています。彼らが“服のチカラ”プロジェクトに参加することで、難民の生の声を生徒さんに伝えることもできるんです。
DOWELL編集部: 今後、どのような形でサステナビリティの活動に取り組んでいこうとお考えですか?
シェルバさん: これまでさまざまなプロジェクトをご説明してきましたが、やはりモノづくりの会社ですので、本業の服作りで貢献したいという思いが強いです。現在、ペットボトルから作られた再生ポリエステル繊維を用いた「ドライEX」のポロシャツや、ウォッシュ加工と仕上げに使用する水の量を最大99%削減できる技術を使って生産したジーンズなどがありますが、こうしたアイテムや素材をさらに開発していきたいですね!
DOWELL編集部: シェルバさん、ありがとうございました。