世界で3食に1食が捨てられているという現実
DOWELL編集部: 今月のDOWELL magazineのテーマは、「知ってる?世界の食糧事情。」です。例えば日本国内では、毎年2759万トンの食料が捨てられていて、食べ残しや賞味期限切れなど、まだ食べられるはずのものが643万トンもあります。そのうちの352万トンは事業者から、291万トンは家庭から出ています(※注)。この状況を堀さんはどのように思われますか。
堀さん: 実は8月25日に放送された『ワクワク!カンパニー Do well by doing good!』の収録テーマが、まさにフードロスでした。愛知県の南知多にある『源氏香(げんじこう)』という温泉旅館を取材したんですけど、そこで、世界で生産されている食料40億トンのうちほぼ1/3にあたる13億トンほどが食べられずに廃棄されている事実を知りました。
日本だけでも2759万トンという途方もない量ですよね。ただ率直に言って、この数字を聞いてもピンと来なかったのも事実なんです。実感を持ってわかりやすいのは1/3の方で、「1日朝昼晩で3回食べていると考えたら、1食分まるまる捨てられていることになるよね」と教えてもらった時に、「なるほど!」と理解できました。
もうひとつ驚いたのが、宴会の最初の30分、最後の10分は自分の席について食事をしましょうと声をかける“3010運動”でした。この取り組みの結果、食べ残しが半分になったと聞いて、その効果にびっくりです。質問から少しずれてしまいますが、イメージがつかみにくい数字よりも、毎日1食が捨てられるとか、食べ残しを半分に減らせるといった表現が分かりやすい。このようにかみ砕いて伝えることが僕たちに求められているのだと思います。
(※注)農林水産省「食品廃棄物等の発生量(平成28年度推計)」(2019年4月12日発表)より。