ユーミン、嵐のツアー衣装デザインから学んだこと
「私はデビューした当時から、テレビ番組やステージで着る衣装を自分でデザイン・制作していました。既製品を買ったときにも、何かしら手を加えてオリジナルなものに変えていくことも好きでした。洋服だけでなく、身につけるアクセサリーや髪型、メイクの代わりに顔に貼るシールのセレクトまで(笑)」
ポップでキュート、カラフルで独創的……。一貫して“好き!”にこだわり、自分をブランディングしながら個性を開花させていたシノラー時代。衣装デザイナーになるきっかけについて伺うとーー。
「ユーミンさんのご主人で、音楽プロデューサーの松任谷正隆さんのラジオ番組に呼んでいただいたことがありました。そこで思いがけないチャンスをいただくことになりました」
番組の中でコスチュームデザインの話になったとき、松任谷さんに
「どんなドレスが作りたいの?」と尋ねられた篠原さん。
頭の中に浮かんだイメージのままを伝えると、
「面白そうだね……ユーミンの衣装やってみる?」
そのひと声を受け、これまで描き溜めていたデザイン画や資料をまとめ、再び松任谷さんへプレゼン。2013年、ユーミンのライブツアーの衣装デザイナーに大抜擢。当時さまざまなメディアに取り上げられ、大きな話題になりました。
「“好き!楽しい!”というシンプルな気持ちで自分の衣装を作ってきた経験が、こんな形で活かされることになるとは想像もしていませんでした。いま思えば、自分の感性のままに表現を続けてきた時間は、幸運をつかむための大切な“準備期間”だったのかもしれません」
そして2015年には、嵐のツアー衣装を担当。衣装デザイナーとしての活動が本格化していきます。