FANTASTICS from EXILE TRIBEの佐藤大樹さん、堀夏喜さんが、「Do well by doing good. いいことをして世界と社会をよくしていこう!」という活動に取り組む企業や団体を訪問するこちらのコーナー。今回は佐藤大樹さんが、『DOWELL magazine』 の創刊時から編集部とともに「Do well by doing good.活動」を提唱し、生活者はもちろん世界や社会にとってもWell(よい)な“ウェルフード&ドリンク”を提供しているimperfect株式会社を訪ね、同社代表取締役社長の浦野正義(うらの・まさよし)さんと、マーケティング部長の佐伯美紗子(さえき・みさこ)さんに、「Do well by doing good.活動」を始めたきっかけや、この活動にかける思いなどについて、imperfect株式会社が運営するカフェ「imperfect表参道」にてお話を伺いました。
農産物の生産現場を改善したい
佐藤さん: 今日は、この連載で慣れ親しんできた“Do well by doing good.活動”の生みの親であるimperfectさんにお話を聞けるので、とてもワクワクしています!
昨年の7月にオープンしたこちらのお店(imperfect表参道)では、サステナブルに配慮して生産された原材料から作ったフードやドリンクを販売していると聞きました。そもそも、どういう経緯で、この事業を始められたのですか?
浦野さん: 私は若い頃から、コーヒー豆やカカオ豆など、加工食品の原料となる農産物を調達する仕事に携わってきました。世界のいろいろな国から農産物を輸入し日本の企業に販売する仕事なので、農業の現場に行く機会も多くありました。それらの現場では、貧困、あるいは搾取とまで言わないまでも、劣悪な労働環境も少なくなかったのです。
そのような状況を見て、その場では「これは酷い。こんな環境を何とかしないと」と思うのですが、いざ帰国してその農産物を売るとなると、取引先から何よりも求められるのは、安く卸すことです。そのためには、生産現場から安く買わないといけない。でも、生産現場から安い価格で農産物を買い上げることが、農場の労働環境を劣悪なものにしている要因のひとつでもあるんです。お金がなかったら、労働環境をよくすることなんてできないですから。結果、生産現場をなんとかよくしたい、でもそれではこちらのビジネスが成り立たない、というジレンマに陥るんです。生産現場も、買ってくださる企業もわれわれも同時にハッピーになる方法はないのか? と考え始めたのが、この事業に取り組むきっかけです。
佐藤さん: 多くの過酷な現場を見てきたからこそ、なんとかしたいという強い思いを抱かれたんですね。imperfectさんで販売している“ウェルフード&ドリンク”というのは、そのような状況を改善しようというものなんですか?
佐伯さん: “ウェルフード&ドリンク”という言葉には、「私たち生活者のみならず、世界や社会にとってもWell(よい)」という意味が込められています。まず、口にする私たち消費者にとって美味しいということ、さらに生産農家や自然環境、ひいては世界や社会にとってもよいと言える食べ物を提供していきたいと考えています。
それを実現するために、ひとつルールを決めています。それは、農家の自立支援や環境保全に取り組みながら生産されている原材料を最低ひとつは使用して、商品をつくることです。実際、この「imperfect表参道」で扱っているチョコレートやグレーズドナッツ、コーヒードリンクなどの商品は、そうして生産されたカカオ豆やコーヒー豆、ナッツ類を原材料として使用しています。
“Do well by doing good.”と“imperfect”に込めた想い
佐藤さん: なるほど! imperfectさんのやっていることがよくわかりました。僕たちが「imperfect表参道」でチョコレートを買ったりコーヒーを飲んだりすることが、生産現場をよくしようとしている人たちの利益にもなるっていうことなんですね。それが、imperfectさんが提唱している「Do well by doing good.活動」ということなんですか?
浦野さん: そうですね。「Do well by doing good.」を、私たちは「いいことをして世界と社会をよくしていこう」と訳しています。政府や企業が取り組むだけではなく、消費者の方々と一緒に課題を解決していきたいと思って考えたメッセージです。
佐藤さん: SDGsを包み込むようなイメージですか?
浦野さん: そういう解釈でもよいと思いますが、むしろ、SDGsにつなげていくためのかけ声と表現した方がしっくりくるかもしれません。シンプルな言葉なら、多くの人と手を取り合っていけるとも思っています。「いいことをして世界と社会をよくしていこう」って、わかりやすくないですか?
佐藤さん: そうですね、とてもわかりやすいです。
佐伯さん: わかりやすさは大切だと思っています。固い言葉や数字、たくさんのアルファベットが並ぶと、どういう意味なんだろうと頭の中で思考が停止してしまって、なかなか理解してもらえないでしょう。
それよりも、少しでも、いま社会が抱えている課題を解決するために、私たち一人ひとりの消費者ができることって何だろう? と考えた時、“Do well by doing good.いいことをして世界と社会をよくしていこう”というシンプルでわかりやすいフレーズなら、しっくりとフィットするのではないかと思ったのです。ぜひこのフレーズを覚えて、自分ごととして取り組んでいただけたらいいなと願っています。
佐藤さん: 正直なところ、僕はこの連載の取材をやらせていただくにあたって、かなり構えていたんです(笑)。「17の目標」とか「169のターゲット」とか、数字が頭をぐるぐる巡ってしまって、みんなそんなにたくさんのことやっているのか、と。自分にそんなにたくさんのことがわかるのか? という感じで。でも実際にいろいろな会社を取材してみると、意外にすっと理解することができたんです。
難しく入ると難しくなってしまうのかも知れませんが、もっとシンプルに関わっていけば、サステナブルやSDGsを、僕たちやもっと若い世代も理解しやすいと思います。そういう意味では“Do well by doing good.よいことをして世界と社会をよくしていこう”というかけ声を僕もどんどん使って、発信していきたいですね。
あとやはり単語で気になっていることがあるんですが“imperfect”って「不完全な」という意味ですよね? どうしてネガティブに受け取られそうな単語を、会社やお店の名前にされたんですか?
佐伯さん: 社名の由来は2つあります。ひとつは浦野がお話したように、生産現場をはじめとして、世界には貧困や搾取などがたくさん存在します。このように世界は、残念ながらいまだ不完全です。まず、その事実を知って欲しいということ。
もうひとつの意味は、私たちはその不完全さに対して、そのまま放置するのでなくて、何らかのアクションをしていこうという志です。
「私たちのアクションも不完全かもしれない。だけど何もやらないよりも何かやったほうがいいよね」――。そんな想いも込めての、「imperfect」なんです。
浦野さん: “Do well by doing good.”と組み合わせて、「The world is imperfect, so do well by doing good.」。「不完全なこの世界。だから、いいことをして世界と社会をよくしていこう。」と覚えていただきたいですね。
imperfect誕生の経緯についてお話を伺った佐藤さん。後編では「imperfect表参道」で実施している「投票システム」など、手軽に参加できる「Do well by doing good.活動」について聞いていきます。
撮影協力店舗
imperfect表参道
住所:東京都渋谷区神宮前4-12-10表参道ヒルズ同潤館1階
営業時間:11:00~21:00(日曜日のみ~20:00)
※当面、全ての営業時間を20:00までに短縮して営業
TEL:03-6721-0766
URL:https://www.imperfect-store.com/
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いいことをして、この世界をよくしていこう。~ DOWELL(ドゥーウェル)~
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