働き方改革やリモートワークなど、大きな転換期を迎えつつあるワークスタイル。そのような時代にキャリアをスタートさせる新社会人の消費に対する意識はどのようなものなのでしょうか?そこでDOWELL編集部は、4月号のテーマである「消費という投資」を掲げた座談会を実施(※)。前編に続き、新社会人となる学生の方を招き、消費について語っていただきました。
(※)座談会は入社前の3月上旬に開催しています。
働き方改革やリモートワークなど、大きな転換期を迎えつつあるワークスタイル。そのような時代にキャリアをスタートさせる新社会人の消費に対する意識はどのようなものなのでしょうか?そこでDOWELL編集部は、4月号のテーマである「消費という投資」を掲げた座談会を実施(※)。前編に続き、新社会人となる学生の方を招き、消費について語っていただきました。
(※)座談会は入社前の3月上旬に開催しています。
DOWELL編集部: みなさん、自分の生活のためだけでなく、お給料は有意義に使いたいということでしたが、エシカル消費のような消費行動をどのように捉えますか?
ミナさん: 私は正直まだそこまで意識がいっていなくて。以前、フェアトレード認証がついた紅茶製品を扱ったイベントのお手伝いをしたことがあるんです。その紅茶は、美味しいんですけどちょっと高い。自分で自由に使えるお給料をもらうようになっても、値段のことを考えるとそれを買うのはちょっと厳しいかな…。
ユイカさん: 自分のものを買うとなったら、やっぱり好みとか使いやすさ、そしてもちろん値段を優先しちゃいますね。プラスチックでなく紙のストローを使用しているカフェとか、その志は理解できるんですけど、それが購入の決め手にはなかなかならないです。
DOWELL編集部: エシカル消費につながる商品やサービスを提供している企業のスタンスには賛同できるけど、お財布がついてこないと。
ミナさん: 応援はしたいけど、実際は気持ちだけって感じになってしまいますね…。
マサヤさん: 僕はエシカルやサステナビリティに意識の低い会社の商品は買わなくなるんだろうなと思います。ただ自分の周りにはそういう人が多いかというと逆で、少数派です。サステナビリティとかSDGsを実践しないと日本も世界も経済的に先行きが暗くなっていくと思うので、そういったスタンスの商品を選ぶことで、応援の姿勢を示したいです。
DOWELL編集部: マサヤさんはそういったことを学んできただけあって考え方が明確ですね。ちなみにサステナビリティとは持続可能という意味です。「SDGs」は「Sustainable Development Goal」のことで、地球を長生きさせるために世界のみんなでがんばろう、と国連で2015年に採択された「持続可能な開発目標」のことなんです。
ユイカさん: 私も含めてこのあたり気にしている同年代の人たちは少ない気がします。どうしてもコストを優先してしまいます。
ミナさん: やっぱり教育の力ってすごいですね。マサヤさんと私とでは意識が全く違います。でも結果的に買った商品がそうだったら悪い気はしないですね。
ユイカさん: 意識して行動しないと日本や世界、そして地球の先行きが良くないと聞いても、私はまだ自身に降りかかっているという認識がなくて。そういう認識がないから実感が湧かず自分も、私の周りのみんなも行動に至っていないのかなって思いました。
DOWELL編集部: もっと自分に関連のある情報があったほうがいいのでしょうか?それともそこから目を逸らしたい?
ミナさん: 私は知りたいです。知れば向き合えるようになるかもしれないから。
マサヤさん: こうした話を同じ学部の友人とずっとしてきました。僕は教育の現場にインターンで赴いたことがあって、こうした話もするんですけど、最初「?」だった人たちも、理解を深めていくうちにどんどん興味を持ってくれるんです。やっぱり教育…というか、事実を知るということは大切なんだと思いましたね。
DOWELL編集部: 知ることは大切。さらに深く知っていってみましょうか。例えば自分の家族や友達が、不平等な環境にある発展途上国で暮らさないといけないとしたら?
ユイカさん: とても心配すると思います。日本と違う不平等な環境で暮らしていく姿を想像したら、何かしなきゃという気持ちが生まれてくると思いますね。
ミナさん: それは気になっちゃいますね。近しい人たちが厳しい状況を現地から伝えてきてくれたら、何かしてあげたいし、しないといけないというスイッチが入りそう。
DOWELL編集部: 他人事でなく自分事に置き換えていくと意識が変わりますよね。自分の消費行動で誰かが幸せになるとしたら嬉しいですよね。例えば、適正な価格で買ったら、適正な報酬が生産者に支払われ、余裕ができた生産者が原材料の品種改良に取り組めた結果、より美味しくなった製品があなたに届くとしたらどうでしょう?これが今回のテーマに掲げた「消費という投資」ということなんです。
ミナさん: なるほど。「投資」と言われるとしっくりくる感じがします。
DOWELL編集部: さてお話を重ねてきましたが、初任給の使い途を含め、今後の消費活動について改めて皆さんの考えを聞かせてください。
ユイカさん: 今日はとても勉強になりました。特にマサヤさんのお話は新鮮でした。私が世の中に対して貢献できる選択肢が増えたなあって思います。社会人になって大変なことも多いと思うので常に意識していけるかはちょっと不安ですが、これまでよりちょっと視野を広げて考えていくことはできそうです。
マサヤさん: 自分が極めて少数派だということが実感できました。でもその現実と同世代の二人の生の声を聴けたことは大きかったです。今日のテーマを僕は仕事を通して世の中に浸透させたいという思いから広告の会社を選んだんです。みんなに選ばれる商品は背景だけではなく、その商品そのものが魅力的であることが必要。社会人になったら、そんな商品を世の中に紹介していきたいです。
ミナさん: このような機会をありがとうございました。同じ年でも意識の差が大きいことも分かり、私も勉強になりました。社会人になったら、社会を良い方向に変えていくことに少しでも貢献できればと考えていたので、今回のお話はいいヒントになりました。
DOWELL編集部: 本日はありがとうございました。
編集後記
新社会人となる方々の意識はさまざまでしたが、自分の欲求だけでなく、社会的な責任を果たすことに意識が高いと感じました。「消費という投資」というテーマでお話を聞く中で、その意義をまず知ってもらう、そして継続して情報を発信し続けることで、「Do well by doing good. いいことをして、世界と社会をよくしていこう」という思いを広めていくことの大切さをあらためて認識しました。今回お話を聞かせていただいたみなさんにも応援していただけると嬉しいです。
いいことをして、この世界をよくしていこう。~ DOWELL(ドゥーウェル)~
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