(第4話)食品ロスを減らそう! ジェラートレシピ/門倉多仁亜 【連載】あなたの「おいしい」が、だれかの「うれしい」に
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(第4話)食品ロスを減らそう! ジェラートレシピ/門倉多仁亜

今年の夏も日本は記録的な大雨に見舞われ、被害は広範囲に及んでいます。そこで思い出されるのは、去年の12月にスペインのマドリードで開催されたCOP25で、ドイツの環境NGO”ジャーマンウオッチ”が発表した「グローバル気候リスク指数2020」(※注1)。この、2018年に世界で最も気候変動によって被害を受けた国のランキングによれば、トップに立ったのが日本。この年、日本は夏の猛暑や豪雨、そして台風に見舞われたためランキングが高くなったようです。2位はフィリピンで、台風の被害によるもの。そして3位はドイツ。ドイツは極度の夏の暑さのため多くの方が亡くなり、また農作物への被害も大きかったようです。

(※注1)極端な異常気象によって各国が受けた人的被害と経済への被害をもとに算出された指数

今までの常識が通用しない時代

大雨が降ったり、猛暑が続いたりするたびにニュースで”想定外”という表現を耳にしますが、これからは過去に例のないことがたくさん起こってくるのだろうと思います。今までの常識が通用しない時代がやってきます。

では、「どうしたらいいのか?」ということになりますが、常識の範疇ではなく、新しい視点でものごとを捉え考えることだと思います。その上でまず大切なのは「正しい知識を得る」ことです。

私も過去の新聞記事をネット検索したりしながら知識を蓄えるようにしているのですが、ある日とても素敵な絵本に出会いました。それは子どもたちに向けてやさしく書かれた温暖化の本ですが、わたしたち大人にも、とてもよい本です。大人が子供と一緒に読むべき本ですね。『The Tantrum that Saved the World” by Megan Herbert and Michael E. Mann(地球を救ったかんしゃく)』というタイトルです。(※注2)

(※注2)日本語訳はまだないようですが、英語で書かれたe-bookは購入可能。また、美しいヴァイオリン演奏に合わせた朗読などは、こちらで、無料で閲覧できる。

この絵本の内容は、地球温暖化で居場所をなくしてしまったシロクマや、いろいろな環境難民がソフィアという少女の家に集まって、彼女に助けを求めるところから始まります。最初、彼女は私には関係ないと思って抵抗するのですが、思いやりの大切さに気づき、みんなでことの重大さを共有して行動するという物語です。

この絵本は、イギリス人の絵本作家Megan Herbertさんと、アメリカ人の気候学者Michael E. Mannさんの協同作で、厳しい現実をリアルに説明しながらも、子供たちもわかりやすくそして飽きさせない物語となっています。

「JCCCA(全国地球温暖化防止活動推進センター)」のウェブサイトでも、たくさんの情報を得ることができます。なかでも家庭で、子供たちとも一緒に考えて出来る身近なエコのひとつに、食品ロスを減らすことがありますね。

どんなフルーツでもアレンジできるジェラートで、食品ロスを減らそう。

日本の家庭では、買った食品のうち30%以上は捨ててしまっていることはご存知ですか? 購入した食品を食べないで捨ててしまうというのは一番もったいないこと。少し考えてみてください。その食品を作るのにはたくさんの水とエネルギーを使います。ハウス栽培の作物は、旬の路地ものに比べると5倍もエネルギーを使うそうです。そして生産者からお店に運んで、それを小分けのパッケージに入れて、私たちが買ったら冷蔵庫で保存することになります。そして、もしそれを食べずにゴミにしてしまったら、またそこで処理するエネルギーが必要となるのです。どれだけもったいないかがよくわかると思います。とにかく買ったら食べきること。こんなシンプルなことですが、それでも各家庭が日々実行すれば、それはそれは、大きなエコ活動になります。

ということで今日は、どんなフルーツでもアレンジできるジェラートのレシピをご紹介したいと思います。家庭菜園などをしていれば特にそうですが、農作物の旬はそれぞれ一気にきますので、たとえばトマトなどは食べきれないほど手元に集まってくることがあります。お店にも大きなダンボールのお得パックが出たりしますので、そういったものを使ってもいいですね。私の場合は畑でプチトマトを育てていますが、2本しか植えていないので実は一気に熟しません。数日に一回、真っ赤になったものを摘んで冷凍して、ある程度まとまった量になったらアイスにするというスタイルです。

ジェラートの作り方

材料はいたってシンプルです。プチトマト200g、シロップ大サジ3(砂糖50g、水50ml)、imperfectグレーズドナッツ(ハニー&オレンジ)大サジ1~2 。プチトマトは洗って乾かしてジップロックに入れて冷凍します。その時には覚えているつもりでも、ジップロックにグラム数を書いておくと後で便利です(ラベリングしておくことは大事です。ラベルが付いていると情報を家族と共有でき、お手伝いもしてもらいやすくなりますよ)。

砂糖と水は鍋に入れて沸騰させ、砂糖が溶けたら火を止めて冷まします。これでシロップの出来上がりです。

ジェラートは、食べたくなった1時間ほど前に作る準備をします。冷凍のプチトマトは水に浸すとつるんと皮が剥けるので全部取りましょう。プチトマトとシロップ(お好みで大サジ3くらい。使うフルーツの熟れ具合に寄って、完成するジェラートの甘さは変わってきます。シロップは好みの量を入れてください。)をフードプロセッサーに入れて撹拌します(あまりにも硬い場合は少し溶けるまで5分くらい置いてから撹拌してください)。滑らかになったら完成です。よく混ぜ合わせてタッパーに入れて冷凍庫に入れて凍らせます(途中で、30分おきくらいにフォークなどでかき混ぜる作業を数回行うと、一層滑らかなジェラートに仕上がります)。そして出来上がったジェラートにimperfectのナッツを散らします。ナッツの香ばしさと食感、そして柑橘の香りがジェラートの味を一段と引き立ててくれます。

いろいろな果物でアレンジを楽しんで、フードロスゼロを目指そう。

ここからはアレンジの話になります。たとえばシロップの代わりに蜂蜜やメープルシロップを使っても大丈夫です。入れる量はお好みですが、ジェラートのように冷やして食べるものは、食べた時に味を感じにくい性質があるため、濃いめに味をつけた方が美味しいと思いますよ。

プチトマトの代わりに私はブルーベリーもよく使います。大きなフルーツ(たとえばパイナップル)を使う場合はサイコロ状に切ってから冷凍するとよいです。2種類のフルーツを一緒に組み合わせてジェラートにしても美味しいですよ。いろいろな果物でアレンジを楽しんで、フードロスゼロを目指しましょう。

ちなみに、レシピの中でご紹介した「imperfectグレーズドナッツ」は、こちらから購入できます。また「imperfect表参道」というお店では、今回紹介したようなナッツとアイスの組み合わせを楽しめるので、近くに行ったときには立ち寄ってみてはいかがでしょう。

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<プロフィール>

門倉多仁亜

1966年兵庫県生まれ。日本人の父とドイツ人の母の元で日本、ドイツ、アメリカで育つ。国際基督教大学卒業後、証券会社の勤務を経てコルドンブルーにてグランティプロムを取得する。

現在は、東京と夫の実家のある鹿児島の2拠点をベースに暮らしており、料理教室を主宰する傍ら、メディアを通してドイツ人のシンプルな暮らしをメディアを通して紹介する。

著者、「タニアのドイツ式心地よい暮らしの整理術」(三笠書房)、ドイツの焼き菓子(SBクリエイティブ)など。

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