2月の代表的なイベントといえば、バレンタインデー。そもそもバレンタインデーとは「キリスト教圏の祭典でカップルが愛を誓う日」だそうです。
バレンタインデーは、一般的に西欧では、男性が女性にお花やプレゼントを贈る日と考えられています。ただその方法については特に決まりがないこともあり、バレンタインデーが世界中に広がっていく過程で、それぞれの国や地域で独自の風習が定着していったようです。
2月の代表的なイベントといえば、バレンタインデー。そもそもバレンタインデーとは「キリスト教圏の祭典でカップルが愛を誓う日」だそうです。
バレンタインデーは、一般的に西欧では、男性が女性にお花やプレゼントを贈る日と考えられています。ただその方法については特に決まりがないこともあり、バレンタインデーが世界中に広がっていく過程で、それぞれの国や地域で独自の風習が定着していったようです。
子供のころから、何度もいろいろな国から国へと引越しをしてきた私は、その地域ごとで、いろいろなスタイルのバレンタインデーを体験してきました。
例えば、小学校2年生の時にはニューヨークにいました。生まれて初めてのバレンタインデーでは、学校の授業中にみんなでバレンタインカードを手作り。紙に大きなハートを書いて切りぬき、”Be my Valentine” (私の恋人になって)などと書いて、クラスの好きな子に手渡すのです。
そのころの私はといえば、英語がわからなくて、友だちもおらず、好きな子どころではありません。でもそれも言えないので、仕方なく“I love you” と書いたバレンタインカードをクラスに1人だけいた東洋人の男の子に……。そんな思い出があります。
神戸のインターナショナルスクールでの高校生時代の思い出は、学校のバスケットボールチームが、クラブ活動の資金集めにバレンタインデーを利用していたこと。数日前から学校の入口で「好きな子にバラを送りませんか?」と男の子たちに呼びかけるのです。そのようにして買ってもらったバラは、バレンタイン当日の学校の授業中に、バスケ部の子たちがクラスに入ってきて、みんなの前で女の子に手渡します。その真っ赤な一輪のバラには、”○○さんから△△さんへ”と書いたリボンが結ばれていて、女の子は誰が送ってくれたものなのかわかる、というわけです。
アメリカンな感じでおおいに盛り上がっていましたが、ミスコン的な雰囲気に私はどうしてもなじめませんでした。もっともいま振り返れば、それは単にバラをもらえなかった私のひがみですね(笑)。
そのころの私の興味の対象は、男の子よりも、女性誌に掲載されていたバレンタインチョコの美しい写真! それに憧れて、見よう見まねで作っていました。そしてできあがったチョコがけイチゴはというと……贈る相手もおらず、家族や友人と一緒に食べました。
社会人になってから香港で働く機会がありましたが、香港のバレンタインデーもわかりやすいストレートな表現でした。バレンタインデーには、男の子たちが競うように、豪華な花束をお気に入りの女性の職場に配達してもらう習慣がありました。それももちろん、ビジネスタイムに!
私がいた会社の秘書は、バレンタインデーになると大きな花束に机を占領され、何をするにも花束をいちいち避けないといけないような状態だったのですが、彼女は一日中、自慢げに嬉しそうに仕事をしていたことを思い出します。バブル期という背景もありますが、香港のバレンタインデーは、2人の愛と経済力を周りにアピールする日ということでしょうか?
皆さんはバレンタインデーにどんな思い出があるでしょうか。そして2021年のバレンタインデーは何か特別なことを考えていますか?
ジェンダーや平等が問われるいま、バレンタインデーの形や楽しみ方はますます変わっていくことと思います。いろいろな形があっていいですし、たとえばこの日をもっとシンプルに”愛を伝える日”と解釈するのならば、日ごろの感謝の気持ちをこめて家族や友人、大切な人に愛を伝えるというのも、とても素敵なことと思いませんか?
それがもっともっと広がっていけば、地球が愛で満たされるのではないかと思います。まさに“Do well by doing good”ですね!
さて、バレンタインデーと言えば、日本ではやはりチョコレートですね。チョコレートは「Cheer Up Sweets」=元気になる、元気づけるスイーツでもあります。美味しくて心にも体にもよいチョコレートは、大切な人に贈るのにもぴったり。
私は鹿児島で暮らし始めて、あらためて日本にはたくさんの種類の柑橘類があることを実感していますが、実はちょっと苦みの残る柑橘ピールとチョコレートの相性は抜群。今年のバレンタインギフトはこれに決まりです。
材料
ゆずの皮(基本的に、柑橘類であれば何でも使えます。できれば無農薬)
皮の重さの半分のグラニュー糖
グラニュー糖と同量の水
コーティングチョコ(テンパリングをしなくてもきれいに乾くチョコレート)適量
作り方
①柑橘類の皮の裏の白い繊維部分(苦みのもとです)をできるだけナイフで削ぎ落とす。
②皮を1cm幅に切り、鍋にいれてヒタヒタに水を加え、茹でこぼす
③ひとつ食べてみて、苦みをチェック。好みに応じてあと2~3回茹でこぼす。
④③でできたピールを鍋に入れ、水をヒタヒタに入れる。沸騰させ、コトコトの火加減でピールが好みの柔かさになるまで煮る(柔らかい柑橘の皮の場合はこのステップは不要)。
⑤食べてみて、皮が柔らかくなっていたら、分量のグラニュー糖と同量の水を鍋に入れて再び沸騰させる。
⑥砂糖がとけたら5分ほどコトコトさせて火を止め、そのまま一晩おく。
⑦翌日に柑橘とシロップをもう一度沸騰させて数分煮る。
⑧火を止めてそのまま一晩おき、シロップを柑橘の中まで染み込ませる。
⑨翌日、鍋を火にかけ、今度は汁気がほとんどなくなるまで煮詰める(煮詰めすぎるとシロップが硬くなるので注意)。
⑩ピールをとりあげて網にのせて乾かす。気候や気温によって必要な時間は違うので、様子をみながら。触ってもべたつかないようなら完成。
⑪チョコレートは湯せんにかけて溶かす。
⑫ピールをチョコにくぐらせ、ベーキングペーパーを敷いた鉄板に並べ、乾いたら完成。
<プロフィール>
門倉多仁亜
1966年兵庫県生まれ。日本人の父とドイツ人の母の元で日本、ドイツ、アメリカで育つ。国際基督教大学卒業後、証券会社の勤務を経てコルドンブルーにてグランティプロムを取得する。
現在は、東京と夫の実家のある鹿児島の2拠点をベースに暮らしており、料理教室を主宰する傍ら、メディアを通してドイツ人のシンプルな暮らしをメディアを通して紹介する。
著者、「タニアのドイツ式心地よい暮らしの整理術」(三笠書房)、ドイツの焼き菓子(SBクリエイティブ)など。
いいことをして、この世界をよくしていこう。~ DOWELL(ドゥーウェル)~
www.dowellmag.com